自転車の整備はなぜ必要?
自転車も機械なので、乗車する度にパーツの汚れや摩耗が進んでいき、当たり前ですが購入時よりもスピードが出づらくなったり、ブレーキの異音、走りにくいといった異変が少しずつ出てきます。その異変を放っておくと、自転車の寿命にも影響を与えたり、性能も著しく低下させる原因となります。
初心者の方は勘違いしてしまいがちですがメンテナンスは、何か専門的な工具で大掛かりな作業をするのではありません。むしろ、毎回の乗車の前後で数分程度でできるものが多く、少ない工具で自転車の性能を維持していくことが目的となります。
ちょっとした手間を毎回行うことで自転車を長く性能維持できるように工夫する方法を覚えましょう。
特にロードバイクやクロスバイク等の高額な自転車に乗っている人は、基本的なメンテナンスを覚えて最低限は自分自身で行えるようになっておきましょう。
自転車整備が必要な箇所
自転車の各パーツ名称

写真のとおり、自転車は多くのパーツで構成されていることがわかります。全てのパーツを毎回点検する必要はありませんが、確認できることが大事なのでパーツ名称はある程度覚えておくようにしましょう。
特にこの中でも、ブレーキ・タイヤ周りとギア周りのパーツは摩耗したり汚れが付着しやすいので日常的にメンテナンスが必要な場所になります。
自転車の整備に必要な工具
基本的な整備には以下の工具が揃っていれば十分でしょう。
いきなり全てを揃える必要はありませんので、必要に応じて買い足していくのがベストではあると思います。
初級編
タイヤレバー
空気入れ
パンク修理キット
アーレンキー(六角レンチ)
ドライバー
チェーンクリーニング
メンテナンススタンド
中級編
ペダルレンチ
ワイヤーカッター
チェーンカッター
スプロケット取り付け取り外し
自転車整備はどのくらいの頻度でやるの?
パーツ交換の目安
全てのパーツは劣化してきますが、パーツによって交換時期が異なってきます。特に頻繁に変えることになるのが、タイヤ、ブレーキシュー、ワイヤー、チェーン等の代表的な消耗品パーツです。これらのパーツはおおよそ1年に1回は交換の必要があります。
パーツ名 | 交換の目安 |
---|---|
ブレーキパッド | 溝がなくなってきたら |
ワイヤー | 3〜5,000km |
チェーン | 3〜5,000km |
タイヤ | 3〜5,000km |
バーテープ | 剥がれたり、見た目が汚れたら |
リムテープ | タイヤを交換するタイミング |
自転車整備STEP.1
タイヤ・ブレーキのメンテナンス
一番メンテナンスが必要なパーツ類はタイヤやブレーキ周りに存在します。これらの基本的なメンテナンスは押さえておくようにしましょう。
空気圧のチェック
タイヤの空気圧が適正でないと、乗り心地に影響します。また最悪のケースではパンクにつながり事故の原因になる場合もあります。特にクロスバイクやロードバイクのように仏式のものを採用しているバルブは高圧であるためにチューブから空気が抜けやすいです。そのため乗車前に必ずチェックするようにしましょう。
タイヤの接地面の確認
タイヤが摩耗していてひび割れがないか、パンクの原因となるガラス片や小石などが突き刺さっていないかをチェックします。タイヤの磨耗が進んでいた場合にはスリップしやすくなりますので早めに交換するようにしましょう。
クイックリリースのボルトを確認
クイックリリースのボルトが緩んでいたり、平行に挟まっていないと、走行が不安定になります。万が一外れてしまったら大事故になりかねません。クイックリリースがしっかりと締まっていることを確認しましょう。
ブレーキパッドの角度と締まりを確認
ホイールのブレーキ面にたいして平行してブレーキのパッドが固定されていることを確認しましょう。もしずれている場合はブレーキレバーを握りながら、ボルトを締めて調整をします。
もしブレーキパッドが磨り減っているようでしたら、パッドの交換を行います。
ブレーキワイヤーの締まりを確認
ブレーキパッド同様に、ブレーキレバーを握りながらワイヤー部分の締め付けをしましょう。
ワイヤーの先端についていたエンドキャップが外れている場合があります。放っておくとワイヤーがほつれていくのでほつれていることを確認した場合は、ブレーキワイヤーのエンドキャップを付けて応急処置をします。
自転車整備STEP.2
ハンドル・シート・クランクの点検
いずれもボルトの締まり具合を確認する必要があります。緩んでいたら締め直すようにしましょう。六角レンチがあればメンテナンスが可能です。
ハンドルのステム、フォークコラムのクランプ部分の締まりを確認
ハンドルとステム、フォークコラムとステムのクランプ部分の締まり具合を確認しましょう。フォークコラムがカーボン製の場合は締めすぎに注意しましょう。締めすぎてしまうとカーボンに亀裂が入る恐れがあります。
シートポストの締まりを確認
シートポストの締まり具合を確認します。カーボンフレームやチタンフレームが使われている場合はフレームが変形したり亀裂が入る恐れがあるため締めすぎには注意します。
クランク周りの締まりを確認
フロントのチェーンリングを固定しているボルトの締まり具合を確認しましょう。
クランクアームの締まりを確認
最後に、クランクアーム部分のボルトの締まり具合を確認します。
自転車の整備STEP.3
変速機・チェーンの点検
乗り続けていると不調になってくるパーツが変速機やチェーン周りのパーツです。頻繁にチェックする必要はありませんが、不調を感じたら必ず整備をするようにしましょう。
フロントディレイラーのボルトの締まりを確認
ディレイラーのボルトの締まりを確認
ギアが変則しづらい場合はアジャストダイヤルで調整
重いギアから軽いギアに変速しにくくなったらワイヤーが緩んでいる可能性があるので、アジャストボルトを左方向に少しずつ回します。逆の場合は、その反対方向に回すように調整をします。
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チェーンの汚れやサビを取る
チェーンは油汚れが目立つパーツです。油汚れはサビの原因となり性能を低下させてしまうので、定期的に汚れを落とすようにしましょう。その時に活躍するのがチェーンクリーナーと呼ばれるものです。
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チェーンに注油する
チェーンの汚れを取った後に必ず行うのが注油です。チェーンオイルはドライとウェットタイプがありますが、一般的にはウェットタイプをお勧めします。注油をする際には、1コマずつしっかりと注油をするようにしましょう。
自転車の整備STEP.4
全体の汚れ落としとワックス掛け
直接、自転車の乗り心地や性能に影響が出るわけではありませんが、フレーム部分や全体の汚れ落としを最後に行いましょう。
数年に1回はフルメンテナンスが推奨
定期的にメンテナンスを行っていても、やはり長期間にわたって同じ性能を保ち続けることは難しいです。数年に1回は、自転車の専門店に運んで、しっかりと全体のチェックをしてもらうようにしましょう。
なんだ、せっかくメンテナンスをしても最後は自転車屋頼みかと思われるかもしれませんが、日々のメンテナンスによって必要な期間は大きく前後しますから、日々のメンテナンスもしっかり行うようにしましょう。
まとめ
自転車は消耗品の塊と言われることがありますが、多くのパーツを搭載しておりそれらのほとんどが摩耗してしまいます。日々のメンテナンスをしているだけで、大きな事故を未然に防ぐだけでなく、長持ちさせるための秘訣になります。
最低限でも結構なので、メンテナンスのやり方を覚えて、愛車と長く付き合えるようにしていきましょう。