自転車の手信号とは

自転車の手信号は、乗車している最中に、後続の自動車や自転車に対して、右折や左折・停車などの合図を出すことです。自転車には方向指示器もなければ、後続者からしてみれば予測ができないため、手信号を使用することで安全運転をするために手信号を使います。
特に最近は自転車専用道路ができてきて、自動車と並走するケースが多いので、手信号を覚えて安全に自転車を運転しましょう。
自転車の手信号の道路交通法は?
道路交通法上では、以下のような決まりが定められています。
なお、合図不履行や合図制限違反の場合には「5万円以下の罰金」、そして安全運転義務違反には「3ヶ月以下の懲役」と罰則も設けられていますので注意しましょう。
色々と難しい言葉で説明されているので、下記にまとめてます。
第53条 車両(自転車以外の軽車両を除く。第3項において同じ。)の運転者は、左折し、右折し、転回し、徐行し、停止し、後退し、又は同一方向に進行しながら進路を変えるときは、手、方向指示器又は灯火により合図をし、かつ、これらの行為が終わるまで当該合図を継続しなければならない。
2 前項の合図を行なう時期及び合図の方法について必要な事項は、政令で定める。第21条 法第53条第1項に規定する合図を行なう時期及び合図の方法は、次の表に掲げるとおりとする。
■左折するとき。:その行為をしようとする地点(交差点においてその行為をする場合にあつては、当該交差点の手前の側端)から30メートル手前の地点に達したとき。
■同一方向に進行しながら進路を左方に変えるとき。:その行為をしようとする時の三秒前のとき。
■右折し、又は転回するとき。:その行為をしようとする地点(交差点において右折する場合にあつては、当該交差点の手前の側端)から30メートル手前の地点に達したとき。
■同一方向に進行しながら進路を右方に変えるとき。:その行為をしようとする時の3秒前のとき。
■徐行し、又は停止するとき。:その行為をしようとするとき。
道路交通法で定められた3つの自転車での手信号
道路交通法上で定められた手信号は3つのみです。
自転車の手信号①自転車で右折する場合の手信号

右折する場合の手信号は2つやり方があります。
画像左のように右手を真横に伸ばす方法と画像右のように左手を直角に折る方法です。
画像左のように進行方向を指をさすのでこちらの方が覚えやすく分かりやすいでしょう。
自転車の手信号②自転車で左折する場合の手信号

左折する際は、右折の時と真逆ですね。
同じように2つの方法があります。
画像左のように左手を真横に伸ばす場合と画像右のように右手を直角に折る方法です。
自転車の手信号③自転車で徐行・停止する際の手信号

徐行や停車する時には、右手を斜め下に伸ばします。手のひらは後方に向けて差し出した方が伝わりやすいです。
自転車の手信号を出すタイミングは?
ご紹介した3つの手信号は、だすタイミングについても道路交通法に言及されていますので、こちらも覚えておきましょう。
右折・左折をする場合
右折や左折をする場所の30m手前にきたタイミングに手信号を出します。
徐行・停止をする場合
徐行や停止をする時に手信号の合図を出します。
進路変更をする場合
進路変更をする3秒前に手信号の合図を出します。
片手運転よりも安全運転を優先
道路交通法上は動作が完了するまで出し続けると記載がありますが、ずっと片手運転をしながら運転を行うことは危険な場合がありますので、実際には安全運転義務に則って、両手運転に戻った方がいいです。
ですので手信号を出すタイミングやどこまで出すのかは基本安全運転を重視して判断しましょう。
法令以外で良く使う5つの手信号
これまでご紹介したものは道路交通法上定められた手信号でしたが、これからご紹介するものは法律ではなく、知っておいて損はない手信号になります。
なお一般的にはこれらの手信号は認知されることが多いですが、必ず伝わるものだと思わない方がいいです。
よく使う自転車の手信号①ストップの手信号

腰くらいの位置で手をパーにして手のひらを後方に向けます。この手信号の意味は「すぐに停止」です。
よく使う自転車の手信号②道を譲る時の手信号

後ろに走っている人がいて、先に行って欲しいときにこの手信号を使います。指・手首・肘を前後に仰ぐような動作をしてお先にどうぞと合図をします。
よく使う自転車の手信号③左右に寄って欲しい時の手信号

手のひらを寄って欲しい方向に向けて、指・手首・肘を仰ぐような動作を行います。画像左のように左手を使って右方向に向かせた場合は「右に寄る」、画像右のように右手を使って左方向に向かせた場合は「左に寄る」となります。
よく使う自転車の手信号④減速したいときの手信号

減速するときは、手を後方に向けてグーパーを繰り返すことで減速することを伝えます。右手左手どちらでも構いません。
よく使う自転車の手信号⑤障害物を知らせる手信号

道路に障害物(金属やガラス、石ころやペットボトル、アスファルトの傷みの激しい部分、オイル、動物の死体や糞、パイロン等)があった場合に、後続に障害物を知らせるための手信号です。
グループライド時の注意点
グループライドで各地を走行する場合には、ぴったりと付いてトレイン走行をする場合は特に手信号を使って意思疎通をすることが大切です。
後続車は安全に走行するためにもしっかりと車間距離は保つようにしましょう。
自転車の手信号を使って安全に走ろう
実際に公道を走っていると、法律に定めのない手信号も使うケースも多々あります。法律で定めのある3つの手信号とその他の5つの手信号を覚えて、安全に走行するように心がけましょう。
また手信号にだけ頼るのではなく、例えば前の自転車を追い抜く場合も無理をせずに声がけするとよいでしょう。