メンテナンススタンドとは?
メンテナンススタンドは自転車を固定することで作業を効率的に行うための自転車用スタンドのことです。ロードバイクやクロスバイクではスタンドを採用しないことが多く、洗車するタイミング、整備するときなど固定台が必要になります。もちろん壁に立てかけることで作業することも可能ではありますが、万が一倒れて傷をつけることになりかねませんし、作業自体も快適に行うには必須のツールと言えます。
メンテナンススタンドの種類やそれぞれの利点、また選び方のポイントをおさえながらおすすめのメンテナンススタンドをご紹介していきます。
メンテナンススタンドを使うメリット
ほとんどのメンテナンススタンドは立ったままでも作業が行えるように、固定時には自転車の中心が腹から胸あたりにくるように設計がされています。いちいち立ったり座ったりしていたら効率的に作業できませんし、作業終了時にはどっと疲れが出てしまいます。
他の固定器具と比べての固定力は高く、変速機やチェーンの調整、後輪を回す必要のある作業時にはその効果をもっとも感じることができます。
繰り返しになりますが、壁にかけたりメンテナンススタンド以外の固定具に固定した場合、風やちょっとした衝撃で倒れてしまったり、ハンドルが傾いて邪魔になったりと作業の妨げになることがあります。それらから一切解放されるのでより快適に作業をすることができます。
メンテナンススタンドの種類とメリットデメリット
メンテナンススタンドといっても4つほど固定方法の異なるスタンドがあります。それぞれの特徴を見て自分にあったメンテナンススタンドを選択しましょう。もし自宅での利用(軽微なメンテナンス)程度であれば、1番目か2番目のもので十分だと思います。
①車輪軸を固定するタイプのメンテナンススタンド
最も使用者が多いのがこのタイプのメンテナンススタンドだと思います。自転車店で陳列されているロードバイクはこのタイプのスタンドを利用していることが多いです。後輪のクイックを挟むことでガッチリと固定できるスタンドです。変速調整や大抵の整備はこのスタンドで対応できます。
メリット
様々な自転車に対応しており、安価で手に入られます。また折りたたみができるので収納にも困りません。ですので通常利用の場合に向いていると思います。またパイプは力をかけると曲げられるので調整して前輪に使うこともできます。
デメリット:
自転車のクイックを固定するため、後輪が外れたバイクは固定できないこと、またクイックレリーズのメーカーによって対応するスタンドを選ばなければいけないなどの一手間があります。
②シートステー・チェーンステーを引っ掛けるメンテナンススタンド
シートステーとチェーンステーにフックを引っ掛けるだけのメンテナンススタンドです。固定箇所がフレームだけなので、後輪を外した状態でも固定ができます。折りたたみ式のものが多いので、収納にも困ることがないでしょう。バーテープ交換やサイクルコンピューターの調整、チェーン清掃など簡単なメンテナンスに向いています。
メリット:スルー、ディスク、幅広く対応できると思います。ほとんどの自転車に対応できるスタンドです。
逆に引っ掛けるだけなので、挟むタイプのようにスタンドの固定力は高くはないです。
デメリット:後輪スポークと非常に近い位置をフックにかけることが多いので、固定力は強くないためふらつくケースはあります。変速調整など後輪を回す必要のあるもの、不安定だと操作しにくいものは向いていません。
③フレームやシートポストをクランプするメンテナンススタンド
シートポストをクランプで固定して吊り下げるメンテナンススタンドです。プロ仕様のものが多く、家で使うものは前述の2つのメンテナンススタンドで十分です。胸の高さまで調整して固定ができるのでメンテナンスを効率的にやるならこれがまさに向いています。
メリット:両輪同時に持ち上げることができるメンテナンススタンド。またスタンドに掛けるときもホイールを外す必要がありません。
デメリット:フレーム形状・種類によってはトップチューブクランプが不可な場合があります。また最近流行りのエアロ形状のシートポストだと形状によっては固定できないものも。大きさはかなり大きくなるので収納場所は必要になってきます。
④自転車をのせるタイプのメンテナンススタンド
最後に、本格的なメンテナンスをしたいのであればこのメンテナンススタンドがおすすめです。固定するのに前後輪どちらかを外す必要がありますが、フレームの2点を固定するためどのメンテナンススタンドよりもガッチリとホールドができます。
メリット:折りたたみ式で比較的コンパクトになるものが多く、重たくもないので持ち運びも可能。
屈んだりする必要がないため作業が楽です。
デメリット:前輪か後輪のどちらかをはずすのが面倒。
メンテナンススタンドが広いスペースが必要になります。
メンテナンススタンドの選び方
メンテナンススタンドのサイズ
メンテナンススタンドは固定方式の違いだけでスペースを必要とするものから省スペースなものまであります。自転車をまるごと上にあげるようなものは大きくなり、一部だけを固定するのであれば省スペースです。また商品によっては、アームの折りたたみ収納や解体、利用用途にあわせて伸縮できるものなど様々です。収納できるスペースと開いた時のスペースによってサイズを選ぶといいと思います。
メンテナンススタンドの機能
当たり前ですが機能の差は、価格の差となってあらわれます。ただ正直プロ仕様が必要でない場合以外は基本的なメンテナンススタンドで十分です。参考までに、左右上下の角度調整機能、水平方向への回転、水平を保つ機能などプロが使うようなものが多いので、ほとんどの人が関係ないかと思います。
価格
安いものは1,000円台から50,000円程度までと機能差によって様々です。プロ仕様のものでも、比較的安価に手に入れることができるようになってきているので、どのような使い勝手を求めるかによって選択肢が異なってくるでしょう。
メンテナンススタンドの使い方
ここでは一般的に最もユーザーの多い、車輪軸を固定するタイプの「ディスプレイスタンド」をベースに使い方を解説していきます。
ステップ①スタンドの切り欠け・溝にクイックレバーを入れる
後輪のクイックレバーを挟み込んで固定するものですので、穴に入れ込む形で固定をします。なお入れ込む穴は変速機側かそうでない側かによって向きが異なります。変速機がない方には溝や切り掛けがあります。そこにクイックレバーをはめるようにします。
ステップ②スタンドの脚を開く
脚の幅は左右にあるつまみを緩めると開くようになっています。足が広い方を前側にすることでスタンドを安定させましょう。なおこのように幅の調整は可能ですので、前輪用に幅をせまくして、変速機をいじりたい場合は前側のクイックレバーを固定するようにしましょう。
ステップ③ギアのない方に後ろ向きにたって、左手でサドルを持ちます
よくある間違いは、地面に置いたスタンドに対して自転車を浮かしてはめようとする作業です。スタンドの両端を持ちながら自転車を持ち上げる方法はやめましょう。地面に置いた自転車に、浮かせたスタンドをはめるようにすれば簡単です。
地面に置いた自転車に、浮かせたスタンドをはめれば簡単です。
ステップ④スタンドのクイックレバー側を持って、スタンドのディレイラー側を引っ掛けます
後輪は地面についたままスタンドは後ろ向きにした状態で左手でサドルを持ちます。左手でサドルを持ちながら、右手でスタンドの片方だけはめます。
ステップ⑤スタンドのクイックレバー側をグイッと広げて、はめる
左手はサドルを持って支えておきます。右手でスタンドをグイッと広げて、クイックレバーに引っ掛けます。自転車の後輪は地面につけたままで行います。
ステップ⑥ 後輪を上げてスタンドを下に移動
スタンドが後輪にはまったら、自転車の後輪を持ち上げると、スタンドの重みで自然と下におちます。
おすすめの自転車メンテナンススタンド
自転車メンテナンススタンド①エーゼット(AZ) KF202 折りたたみ式
自転車メンテナンススタンド②MINOURAディスプレイスタンド [DS-520] 折畳式 ブラック
自転車メンテナンススタンド③サンワダイレクト 800-BYWST1
サンワダイレクト 自転車メンテナンススタンド 800-BYWST1
メンテナンススタンドの自作や代用品は?
イレクターを使ってメンテナンススタンドを自作
イレクターを使ってメンテナンススタンドをDIYする人もなかにはいるようです。多いのは上の写真のような形で床から天井までを突っ張るように固定をして壁にかけるようなものが人気のようです。室内のスペースを有効活用するのでしたらこのやり方はありですね!またロードバイクであればインテリアとしてもおしゃれですしね。
100均一のものを代用して作成
100均一のフックを代用して自転車を縦置きにしているケースもありました。
すのこで自転車スタンド
すのこを使った自転車スタンドも便利そうです。これなら複数の自転車を立てかけるのにも向いていそうですね。
自転車メンテナンススタンドどれがいいか
自転車用のメンテナンススタンドもいくつかあり、それぞれ特徴が違うのがわかりました。普段使いであれば、車輪軸を固定するディスプレイタイプのもので十分でしょう。安価ですし一つくらい買っておけば重宝すると思います。これがあれば洗車や簡単な整備も億劫にならずに進めることができると思います。